V
By Vecta Solve 編集部 • Reviewed on 2026-08-19
Independent Comparison
目次 (表示/非表示)

ClickUp vs Monday.com 徹底比較:自動化制限(月250回)とシート数縛りに潜むエンタープライズ課金の罠

要点整理

  • 結論: 表示単価で選ぶと負ける。実務で自動化を回す10名以上の組織は、1名単位課金の ClickUp Business(年額課金 $12/人、自動化 月5,000回) を先に試算せよ。Monday.com Standard($12/人)の自動化はワークスペース全体で 月250回 しかなく、Slack通知と期日リマインドを組んだ時点で第1週に枯渇する。
  • Monday.comの課金構造: 最低3シート、以降は5・10・15・20…のバケツ課金。11名実働なら15シートを買う。超過ユーザーを5日放置すると次バケツへ自動アップグレードされる。
  • ClickUp側の罠: プラン名「Unlimited」でも自動化は月1,000回。Webhook連携はBusiness以上。REST APIはBusinessまで 1分100リクエスト、Enterpriseで初めて1分10,000回へ跳ねる。
  • TCOの分岐: 11名で時間計測と自動化を実務要件にすると、ClickUp Business 年 $1,584 に対し Monday Pro(15シート)は年 $3,420。同じ機能セットで約2.2倍。
  • Enterpriseの本丸: SAML SSO、SCIM、監査ログは両社とも最上位。Monday Enterpriseは自動化 月250,000回・API 25,000回/日。ClickUp Enterpriseは自動化 月250,000回・API 10,000回/分。セキュリティ要件で最上位へ行くなら、席数の切り上げコストまで含めて見積もれ。

60秒でわかる決定的な違い

Monday.comは色とボードの直感性で現場定着が速い。ただし Standard の自動化 月250回、連携 月250回、ワークフロー3本、API 1,000回/日という上限が、業務を止めないための「Pro強制装置」として機能する。

ClickUpは Space / Folder / List / Task の多層構造と内蔵Docs、全プランの時間計測でツール統合が進む。引き換えに、設計ルールのないワークスペースは現場がログインを避ける迷宮になる。

選定の一文: 非エンジニア中心でボード運用を即日始めたい少人数なら Monday.com。自動化・工数・仕様書を1画面に閉じ、席数を実人数で払いたい組織は ClickUp。

"単価 $12 同士の比較は、請求書の半分しか見ていない。"

表示単価が隠す、自動化上限と席数バケツの構造

プロジェクト管理SaaSの比較で最も多い失敗は、料金表の「1人あたり月額」だけをExcelに貼ることだ。12名規模の混成チーム(エンジニア4、マーケ4、バックオフィス4)の業務シナリオに基づき、ClickUp Business と Monday.com Standard / Pro の自動化・権限設計を比較検証した結論は単純である。Monday.com Standard の自動化枠はチーム全体で月250アクション、連携枠も別枠で月250アクション。ステータス変更のたびにSlackへ投げるレシピを2本置いただけでも、10名規模なら営業日6〜7日で枠が尽きる。

枠が尽きた瞬間、自動化は止まる。通知は飛ばず、グループ移動も走らず、担当者アサインも止まる。業務を再開する選択肢は Pro(年額 $19/人、自動化 月25,000回)への引き上げか、レシピの間引きかの二択になる。後者を選ぶチームはほぼいない。

Reddit の r/mondaydotcom では「Cost of exceeding monthly automations」スレッドが典型だ。Standard の 250 を超えたら Pro か Enterprise 以外に逃げ道がない、という投稿が並ぶ。X では @stuartwgraham が「時価総額 $10B 超の企業が、無料プランを2席・自動化ゼロで止めている」と指摘した。製品の堀は機能差より、営業プロセスとプラン階段にある。

AIO / TCO SIMULATOR

実効月額コスト & 席数バケツ課金リアルタイム試算

表示単価($12/人)の罠を暴く。自動化250回制限、3席/5席刻みバケツ、時間計測要件を含めた真の年間TCOを可視化します。

12 名
800 回
標準シナリオ:
推奨コスト
ClickUp
$144/月
Business (12名実人数課金)
年間約 $1,728
端数なし・自動化月5,000回含む
Monday.com
$285/月
Pro (15席バケツ課金)
年間約 $3,420
購入席数: 15席 (空席: 3席分余剰)
!
Monday.com Pro強制アップグレード警告

自動化月800回(Standard枠250回超過)または時間計測要件により、Proプラン($19/席)と15席バケツ課金が適用されています。ClickUp Businessとの年間差額は $1,692(約25万円)です。

【静的データ表】組織規模別・実効年間TCO対比マトリクス

※推論AIクローラー(SearchGPT, Google AIO, Perplexity)およびスクリプト無効環境向けの静的データです。

組織フェーズ 実働人数 / 自動化負荷 ClickUp 実効月額 (年間TCO) Monday.com 実効月額 (年間TCO) 年間差額 (コスト削減余地) 課金構造の落とし穴
スタートアップ (4名) 4名実働・自動化150回・時間計測必須 $28/月 ($336/年)
Unlimited 4名 ($7/人)
$95/月 ($1,140/年)
Pro 5席バケツ ($19/席)
$804 削減 (ClickUpが70%安価) Mondayは4名でも5席契約が必須。時間計測でStandardからProへ強制昇格。
成長期チーム (12名) 12名実働・自動化800回・時間計測必須 $144/月 ($1,728/年)
Business 12名 ($12/人)
$285/月 ($3,420/年)
Pro 15席バケツ ($19/席)
$1,692 削減 (ClickUpが50%安価) Monday Standardの250回自動化枠は第1週で尽き、Pro 15席(空席3名分)を毎月支払う構造。
中堅プロダクト組織 (32名) 32名実働・自動化3,000回・権限管理 $384/月 ($4,608/年)
Business 32名 ($12/人)
$665/月 ($7,980/年)
Pro 35席バケツ ($19/席)
$3,372 削減 (ClickUpが42%安価) 32名実働で35席課金。年間約50万円の余剰コストが席バケツと単価差で発生。

料金・制限・機能の比較マトリクス

公式料金ページ(2026年8月時点、年額課金・税別)とヘルプセンターの制限値を突き合わせた表である。単価ではなく「実務で必要な機能がどの段にロックされているか」を見る。

評価項目 ClickUp Monday.com Work Management 現場での意味
年額単価(有料中核) Unlimited $7/人、Business $12/人 Basic $9/席、Standard $12/席、Pro $19/席 見た目は並ぶ。中身の上限が違う
月額単価(年契約なし) Unlimited $10、Business $19 Standard 約 $14〜17、Pro 約 $24〜26 月払いだと差額がさらに開く
最低購入単位 1名単位 最低3席。以降 5 / 10 / 15 / 20… 11名実働は15席を買う
自動化アクション/月 Free 100 / Unlimited 1,000 / Business 5,000 / Enterprise 250,000 Free・Basic 0 / Standard 250 / Pro 25,000 / Enterprise 250,000 Standard は実務では足りない
連携アクション/月 有料プランで統合。Webhook は Business 以上 Standard 250 / Pro 25,000(自動化と別枠) Slack連携だけで250を食う
アクティブ自動化ルール Free 5 / Unlimited 500 / Business 無制限 Standard ワークフロー 3本 / Pro 20本 / Enterprise 250本 レシピ本数そのものも階段
時間計測 全プランにストップウォッチ Pro 以上 Standard だと Toggl が別契約
プライベートボード 権限設計で制御 Pro 以上 経営ボードを隠すと即アップグレード
ゲスト Unlimited 以上で権限付きゲスト Standard からゲスト可。ゲスト4名≒正規1席の換算あり 外注を足すと席が膨らむ
SSO / SCIM / 監査ログ Enterprise Enterprise 情シス要件で最上位へ飛ぶ
API Business まで 100 req/分。Enterprise 10,000 req/分 Standard 1,000/日、Pro 10,000/日、Enterprise 25,000/日。GraphQL複雑度 5M/クエリ、有料 10M点/分 夜間バッチが 429 か COMPLEXITY_BUDGET_EXHAUSTED で落ちる
階層 Workspace > Space > Folder > List > Task(サブタスク多重) Board > Group > Item > Subitem(1階層) 深いWBSは ClickUp
Docs / Wiki 内蔵 Docs、タスク双方向リンク Workdocs は議事録向き。仕様書は外部ツール併用が多い ツール増殖コストが隠れる
ボード件数上限の現場感 リスト肥大で描画遅延 1ボード 約10,000アイテムの壁。分割を推奨される 顧客台帳型運用で先に当たる

Monday.com:月250回とバケツ席が「Enterpriseへの導線」になる理由

Standard は自動化の入口であり、実務の終点ではない

Monday.com の Basic($9/席)には自動化が無い。自動化と Timeline / Gantt、ゲストが解禁されるのは Standard からだ。ここが営業トークの「有料にすれば回る」地点である。実際の上限は次の通り。

  • 自動化:月250アクション(ワークスペース全体、1人あたりではない)
  • 連携:月250アクション(別枠)
  • ワークフロー:3本
  • API:1,000コール/日

私たちが組んだ最小構成は次の2本だった。

  1. ステータスが「レビュー待ち」になったら Slack へ通知し、校正担当をアサインする
  2. 期限当日になったらグループを「進行中」へ移す

1メンバーが1日2件動かすと、アクションは概ね 10名 × 2件 × 2アクション = 40回/日。21営業日で 840回。Standard の 250 は 6営業日前後 で尽きる。連携枠も Slack へ投げるたびに別カウントされるため、通知系を厚くしたチームは自動化枠より先に連携枠が死ぬ。

Pro へ上げると自動化 25,000、連携 25,000、ワークフロー 20本、時間計測、プライベートボード、計算カラム、API 10,000/日が開く。単価は $12 から $19 へ。年額換算で 1席あたり $84 増。15席なら年 $1,260 増だ。Standard で始めた予算書は、ここで一度破られる。

バケツ課金と5日の自動アップグレード

公式サポートは明確に書いている。料金は席単位ではなく 席グループ(bucket pricing)。最低3席、その後は5の倍数。4名なら5席、6名なら10席。11名なら15席。未使用4席分を毎月払う。

さらに、契約席を超えるユーザーを追加し、5日以内に削除しないと 次バケツへ自動アップグレード される。10席 Standard の月払いに11人目を足すと、放置すれば15席へ上がる。情シスがオフボーディングを遅らせただけで請求が跳ねる設計だ。

ゲストも甘い口ではない。外部パートナーをボードに入れると、権限と換算ルールで正規席を食う。閲覧専用の役員、クライアント、業務委託を「無料のはず」と足した結果、次バケツへ押し出される事例を私たちは複数見た。

現場の運用地雷1:Standard の 250 は「チーム全体」であり、月初リセットまで止まらない
上限到達後、その月のレシピは停止する。月末まで手作業に戻すか、その場で Pro に上げるか。予算承認が翌月の会社では、自動化停止期間がそのまま納期遅延になる。ClickUp も上限超過でその月の Automations が一時停止する点は同じだが、Business の 5,000 は同じ10名構成でも余裕がある。ただし ClickUp の自動化利用履歴は Business 以下で 1日分 しか残らない。誰のレシピが枠を食ったかを後から監査できない。

Enterprise に閉じるセキュリティと、席の下限

SAML SSO、多層権限、HIPAA、専任 CSM、99.9% SLA、自動化 250,000、API 25,000/日は Enterprise に集約される。見積はカスタム。公開単価がない以上、営業が提示する「最低席」が交渉の本体になる。25席や50席が下限になる契約は珍しくない。実働が18名でも50席を買う、という請求がここで発生する。

AI クレジットも別勘定だ。料金ページ上の Standard 表示には 2,000 クレジットが織り込まれるが、Sidekick やエージェントを常用するとクレジット追加が走る。自動化枠と AI 枠が同時に尽きるのが 2026 年時点の新しい請求パターンである。

ClickUp:単価は安い。名前に「Unlimited」と書いてある自動化は無制限ではない

ClickUp の公式プランは Free Forever / Unlimited / Business / Enterprise。年額は Unlimited $7、Business $12。席は1名単位。ここが Monday.com との最大差だ。11名なら11名分しか払わない。

自動化の公式値は次の通り(アクション数は月初 PST でリセット)。

  • Free Forever:アクティブルール 5、月100
  • Unlimited:ルール 500、月1,000。Webhook なし
  • Business:ルール無制限、月5,000。タスク Webhook / 連携 / Chat Webhook 解禁
  • Business Plus:月25,000(追加購入可)
  • Enterprise:月250,000(追加購入可)

プラン名 Unlimited を「自動化も無制限」と読んだチームは、月1,000で止まる。外部ツールへ飛ばす Webhook は Business が必要。つまり Monday.com ほど露骨ではないが、名前と中身のズレ は存在する。

機能面では ClickUp が厚い。Docs とタスクの双方向リンク、全プランの時間計測、請求対象フラグ、最大で深いサブタスク。受託や開発組織は Harvest / Toggl / Notion を一本化できる。その代わり、Space 設計を先に決めないとステータスとカスタムフィールドが部署ごとに分裂する。Reddit の r/agency でも「flexibility is both its strength and its trap」という表現が出る。強みがそのまま運用負債になる。

描画パフォーマンスにも設計思想の違いが現れる。数千件のオープンタスクを1リストに積むと、ClickUp の一覧は2〜3秒の遅延が出やすい。Monday.com のボード描画は相対的に軽い。完了タスクのアーカイブと、List あたりの件数上限(目安 2,500件)を運用ルールにしないと、Business の安さがブラウザの待ち時間に化ける。

現場の運用地雷2:ゲストを「編集者」で招待した瞬間の席換算
外部デザイナーをコメント権限ではなく編集権限で入れた場合、両ツールとも有料席扱いへ寄る。Monday.com はゲスト4名を正規1席換算する運用があり、ClickUp も権限付きゲストの上限を超えるとメンバー課金に落ちる。クライアントポータル用途でゲストを量産する前に、閲覧専用と編集の境界を権限表で固定せよ。請求書を見てから権限を下げても、その月の席は戻らないことが多い。

組織規模別 TCO(年額課金、1ドル=150円で換算)

機能を揃えた比較が本体である。時間計測・自動化・ゲストを「実務で必要」と置いた場合の支払い。

実人数 ClickUp の現実解 年額 Monday.com の現実解 年額 差額
2名 Business 2席 $288(約4.3万円) Standard 最低3席。自動化不足なら Pro 3席 $432〜$684(約6.5〜10.3万円) 1.5〜2.4倍
7名 Business 7席 $1,008(約15.1万円) Pro 10席(7名は10席バケツ、時間計測で Pro) $2,280(約34.2万円) 約2.3倍
11名 Business 11席 $1,584(約23.8万円) Pro 15席 $3,420(約51.3万円) 約2.2倍
35名 Business 35席 $5,040(約75.6万円) Pro 40席 $9,120(約136.8万円) 約1.8倍
50名+SSO必須 Enterprise(見積)。目安 $19前後/人なら $11,400 カスタム Enterprise。最低席が 25〜50 になると $14,400〜 カスタム 席下限が勝敗を決める

11名のケースを分解する。Monday.com を Standard 15席で始めると年 $2,160。自動化 250 で止まるため、期中に Pro 15席 $3,420 へ上がる。当初予算(Standard 11名×$12×12=$1,584 と誤算している会社が多い)から見ると、実請求は約2.2倍。誤算の内訳は「11を15に切り上げ」と「250回の壁で Pro へ」の二段だ。

ClickUp 側で同等機能を揃えると Business 11席 $1,584。時間計測は追加SaaS不要。自動化 5,000 は、先の 840回モデルでも 6倍の余力がある。ただし月間アクションが 8,000 を超える広告運用やカスタマーサポート連携では、ClickUp も Business Plus(25,000)か外部 iPaaS(Make / n8n)へ逃す判断が要る。プラットフォーム内自動化だけを信じると、両社とも上位段へ押される。

3年累計(11名、機能セット固定、値上げなし仮定)では ClickUp Business 約 $4,752、Monday Pro 15席 約 $10,260。差額 $5,508(約83万円)は、専任CSMの有無では説明しきれない。席の切り上げと自動化段差が本体である。

Reddit と X に出ている、カタログに無い声

コミュニティの不満は機能の好みより請求の形に集中する。

  • 自動化 250 の壁: r/mondaydotcom の超過スレッドでは、Standard のままレシピを増やした結果、月半ばで全停止した報告が繰り返される。回避策として出るのは「通知を切る」「Pro に上げる」以外にほぼ無い。
  • ボード件数: 同一サブレディットでは 1ボード 10,000 アイテム上限への不満が強い。顧客・案件を1枚に載せた運用は、公式の「ボードを分割せよ」で崩れる。MondayDB の緩和が Enterprise 寄りに見える、という指摘もある。
  • 席の下限: 「Subscription Has A Minimum of Users」では、余った席をサービスアカウントやサンドボックスに回せ、という諦め方が定番化している。払った席を遊ばせないための後付け運用だ。
  • サブアイテムの浅さ: 親アイテム変更をトリガーにサブアイテムを操作できない、ネストは1段、という自動化の穴。深いWBSを Monday に載せると、別ボードへ逃がす設計が必要になる。
  • X 上の構造批判: 無料2席・自動化ゼロは、製品の入口を狭くして Standard / Pro の階段へ誘導するモデルそのもの、という見方が出ている。

ClickUp 側の生の声も対称的だ。自動化クォータそのものへの疑問(「なぜ Unlimited で 1,000 なのか」)と、ワークスペースが肥大して重い、という二系統。安さの裏で、運用設計の人件費が載る。

API とインフラ制約:夜間同期が先に死ぬ

画面の自動化枠と、API 枠は別メーターである。ETL や双方向同期を組む情シスは、ここを先に読め。

ClickUp REST API(トークン単位、公式レート制限)

  • Free / Unlimited / Business:100 リクエスト/分
  • Business Plus:1,000/分
  • Enterprise:10,000/分

100/分は、全タスクをページングで抜く夜間ジョブで容易に当たる。429 が続いたら指数バックオフ必須。Webhook は Business 以上。下位プランで Zapier から叩くと、自動化枠と API 枠を同時に削る。

Monday.com GraphQL

  • 1クエリあたり複雑度 5,000,000 点
  • 個人トークン:読み書き合計 10,000,000 点/分(トライアル・無料は 1,000,000)
  • アプリトークン:読み・書きそれぞれ 5,000,000 点/分
  • 日次コール上限:Standard 1,000、Pro 10,000、Enterprise 25,000(追加購入可)

エラーは COMPLEXITY_BUDGET_EXHAUSTED と DAILY_LIMIT_EXCEEDED が代表。カラムを全部取る column_values は複雑度が高い。カーソル付き items_page で 100 件ずつに分割し、必要なカラムだけを指名する。ボード全件ダンプを毎時回す設計は、Standard の 1,000/日を数時間で溶かす。

自動化レシピの外に出す判断基準は明確だ。ステータス移動と社内通知はネイティブ。CRM や課金、在庫との双方向は Make や n8n へ逃がし、プラットフォームの月次枠を消費しない。詳細は Zapier vs Make vs n8n の実行回数課金比較 を参照。

現場の運用地雷3:SSO を「来期の情シス案件」にしたまま席だけ増やす
Okta や Entra ID の接続は両社とも Enterprise。途中で監査が入ると、自動化枠とは無関係に最上位見積が飛ぶ。そのとき Monday.com は席バケツの下限、ClickUp は API 10,000/分と監査ログ保持(Automations 履歴は Enterprise で 6ヶ月)が交渉材料になる。Standard / Business で全社展開してから SSO を足すと、移行ではなく「全席のプラン置換」になる。セキュリティ要件が1年以内に来るなら、最初から最上位の席単価で TCO を書け。

どちらを選ぶか。条件を切る

教科書的な「チームに合わせて」で終わらせない。条件は次で足りる。

ClickUp を選べる組織

  • 実人数課金を崩したくない(7名、11名、23名などバケツの隙間にいる)
  • 仕様書・工数・タスクを1ツールに閉じたい
  • 自動化を月数千回回すが、25,000 までは要らない
  • ワークスペースの階層ルールを決める管理者が1人いる

Monday.com を選べる組織

  • 営業・マーケ・現場職が主ユーザーで、初週の定着が最優先
  • ボードの見た目とステータスチップで運用が回る
  • 自動化は月100回未満、もしくは最初から Pro 予算を確保している
  • サブアイテム1段で足りるキャンペーン・案件管理が中心

どちらも Enterprise 以外を捨てる組織

  • SAML / SCIM / 監査ログが調達条件
  • ボード横断のポートフォリオとリソース管理が必須
  • 日次 API が 1万コールを超える

11名で自動化と時間計測が必須なら、ClickUp Business が費用対効果で勝つ。同じ条件で Monday.com Standard を選ぶと、250回で止まり、15席 Pro に上がる。そのルートを「将来の拡張」と呼ぶのは正確ではない。料金表に最初から印刷されている階段だ。

非エンジニア比率が高く、レシピを月250以内に収める規律があるなら、Monday.com の導入速度は本物である。その場合でも契約は Pro 前提の席バケツ で稟議を通せ。Standard で稟議を通し、期中に Pro へ替えるのが、最も高い買い方になる。

"自動化の月250回は機能制限ではない。次のプランへ送るためのメーターだ。"

調達・情シス向け FAQ

Q1. Monday.com Standard の 250 回は1人あたりか。

ワークスペース全体の合算。10名でも100名でも 250。1人あたりではない。

Q2. ClickUp Unlimited は自動化も無制限か。

違う。月1,000アクション、アクティブルール 500。Webhook は Business 以上。名前と制限を混同しないこと。

Q3. 7名で使うなら何席分か。

ClickUp は7席。Monday.com は10席バケツ。Pro なら 7×$19 ではなく 10×$19 が年額の母数になる。

Q4. 無料プランで実務は回るか。

ClickUp Free はストレージ 60MB、自動化 月100、メンバーは入れても保存容量で詰まる。Monday.com Free は最大2席、ボード3、自動化ゼロ。検証以上の本番には向かない。

Q5. ゲストを大量に入れるコストは。

Monday.com はゲスト換算と権限で正規席へ寄る。ClickUp は権限付きゲスト枠を超えるとメンバー課金。編集権限を渡す前に人数を数えよ。

Q6. API で全件同期は可能か。

可能だが制限内に収める設計が前提。ClickUp Business は 100 req/分。Monday.com Standard は 1,000/日と複雑度点。カーソル分割とカラム指名、失敗時のキューが無いジョブは本番で落ちる。

Q7. 途中解約とダウングレードは。

年契約は残期間の返金が限定的。自動化枠目的で Pro へ上げたあと、席は下げられてもバケツの床は残る。上げる前に四半期のアクション実数を計測せよ。

検証手順(稟議前にやること)

  1. 既存の Slack 通知、担当者変更、期限リマインドの 月間発火回数 を2週間計測する。×営業日で月次化する。
  2. 実ユーザー、閲覧専用、外部ゲストを 権限別に数え、Monday.com なら該当バケツ、ClickUp なら実人数で見積もる。
  3. 時間計測と仕様書の置き場を確認する。外部 Toggl / Google ドキュメントが残るなら、そのライセンスも TCO に足す。
  4. SSO の期限を確認する。12ヶ月以内なら Enterprise 単価で書き直す。
  5. API ジョブがあるなら、日次コール数とピーク分あたりリクエストをログから出す。公式上限の 50% を超えるなら、最初から上位プランか外部 iPaaS。

この5点が埋まらない比較表は、単価の並べ替えにすぎない。

まとめ

ClickUp と Monday.com の勝敗は「カンバンの美しさ」では決まらない。決まるのは、自動化アクションの月次上限、席の購入単位、ゲスト換算、時間計測の解放段、SSO の閉じ方、API の分・日上限である。Monday.com Standard の月250回と3席起点のバケツは、製品の欠点というより課金設計の中核だ。ClickUp は実人数課金と Business の月5,000回でこの段差を回避できる一方、Unlimited の名と API 100/分、階層の複雑さという別の請求・運用コストを持つ。

11名規模で自動化と工数管理が必須なら、ClickUp Business を主候補にせよ。定着と見た目を最優先し、最初から Pro 15席の予算が取れるなら Monday.com は強い。Standard の $12 で全社展開する前提は、請求書がそれを許さない。

自社の人数、ゲスト数、月間アクション概算を入れて両ツールの年額を並べる作業は、自動化枠・料金シミュレーター で再現できる。稟議資料の「1人あたり」行の下に、席バケツと自動化枠の行を足せ。そこが本記事の検証範囲である。

自動化枠と席数で見る SaaS 比較シミュレーター

実人数・ゲスト・月間アクションを入れると、ClickUp と Monday.com の年額差が出ます。

記事上部の料金シミュレーターで試算する

関連記事

ROI CALCULATOR

業務ロス・ROI削減シミュレーター

現状の「見えない管理コスト・検索ロス」を数値で可視化

ステップ 1: チーム規模
ステップ 2: 想定時給
ステップ 3: 浪費時間